Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
こうして若松屋惣七には、磯五という人物の特徴、習癖などが、たなごころをさすようにわかるのだ。わかってしまえば、あわてることも、恐れることもないと呑んでかかる。それだった。が、口へ泥をつぎ込まれたような不愉快な感情だけは、どうすることもできない。
これが、この男が、お高の良人だったのか。お高のからだのみならず、その心へもしっかりくいこんでいる、最初の男なのか――そのお高と、自分は夫婦同様の関係にあるのみか、いまは、絶えて久しい恋ごころさえ働きかけている――そう思うと、若松屋惣七は、しいんとした気持ちのなかへ落ちていく自分を、意識した。それは、日ごろ、彼が何よりもおそれている、白じらとした虚無の気持ちだった。
そういえは、お高と磯五は、ちょっとした身のこなし、ことばの端はしにも、共通なものがある、二人が、おたがいを開き合って暮らしたであろうころの想像が、一秒のうちに、若松屋惣七を、はげしい嫉妬に駆った。
彼は笑いやんでいた。
「いろいろとお二人のあいだに、積もる話もござろう、中座いたす」
思わず、さむらいの前身が出た。膝をあげて、たちかけていた。
二