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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

そこへ持ってきて、若松屋惣七にも、何やかや用事ができてきて予定どおり二人の女のあとを追って旅に出るわけにはいかなくなったので、その旨をしたためた書状を持って、ただちに金剛寺坂から飛脚が飛んで、おせい様と歌子を追いかけた。

途中で、心待ちに若松屋惣七と紙魚亭を待って、約束によって府中のこっちの由井宿で、同じ宿屋に泊まりを重ねていたおせい様と歌子は、その飛脚の文を見ると、歌子というものがついているのだから、女同士でもこころ細いわけではないのだけれど、やはり心ぼそいかつまらないかで、旅をつづける気にならなかったものとみえて、忘れたころになって、ぼんやり江戸へ帰って来ていた。

だまされたような不平な口ぶりで、歌子はそのまま牛込矢来下の家へはいるし、おせい様は、下谷の拝領町屋の雑賀屋へ舞いもどって、いきおいこんで府中の手前まで用もない旅をしたのはどこの人だというような、けろりと莫迦ばかしい顔をして暮らしていた。

が、そのうちに若松屋惣七は、いよいよ掛川で具足屋をやっている龍造寺主計をたずねて、一人で旅に出ることになった。

「あすたとうと思う」

小雨の縁だ。