Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
自身、あわてて飛んで来ましたわけさ。が、その家内が、こうしてこちら様に御厄介になっていようとは、わたしも夢にも知らなかったよ。どうしたえ、あれから」
笑いをふくんで、快く聞こえる声だ。若松屋惣七は、その声のなかに、先天的な女たらしにつきものの、やわらかいしつこさを読んで、またこの上なく不愉快にされた。切り落とすように、彼はいった。
「わかりませぬな」
磯五とお高が、同時に惣七を見た。
「すると何ですか、磯屋さんは、お店からわたしに、高音さんのほうの取り立てがまわってきているということを、御存じなかったというんですね。それが、わたしにはわからない」
「いえ、ごもっともでございますが、なにしろ、店を譲り受けましたばかりで、それに、借り貸しの帳あいなど、かなり乱脈になっておりましたものですから、まだちっとも整理がついておりませんで――」
「それにしたところで」若松屋惣七は、表面いつしか、ふだんのあの夜の湖面のような、気味のわるい静かさを取り戻していた。
「それにしたところで、名と住まいで、すぐにお気がつかれそうなものと思われますがな」
「それが、でございますよ。わたくしは、あとになるまで帳面を見なかったので――いや、若松屋さん、あなたは、何かわたしが、知らん顔して現在の女房から――」