Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

「誰もほうり出しゃしねえ。おめえのほうで、追ん出たんじゃあねえか」

「出なくちゃならないようにしたのは、いったいどこの誰だろうね。見せつけに、あのお美代やおしんなんかとふざけたりして――誰だって、見ちゃあいられませんからねえ」

「つまらねえことをいわずに――しかし、ここでおめえを見つけたのは、まだ縁があるというものだ」

「うふっ。相変わらず口がうまいよ。もうこりごり。よりをもどそうの何のと、味なことはいわないでおくれよ、あたしみたいな素寒貧の女を相手にしちゃあ、磯五様の估券にかかるじゃあないか」

四

「馬鹿! おめえは何か感違いをしているのだ。おいらは――」

「もうよしておくれよ。聞きたくもない」

「そっちは聞きたくなくても、こっちはいいてえのだなあ、お駒ちゃん、お前はそんな情けないことをいうが、お前のこころはおいらにわかっているし、おいらのこころはお前にわかっているのだ。何もいざこざはねえのだ」

磯五が、妖しく光るような、不思議なうす笑いをうかべて、そろりそろりと近づいてくると、お駒ちゃんは、太腿のあたりに何かぴりりと走るものを感じて、泣き出しそうな笑い顔になって立ちすくんでいた。