Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
金のこととなると、切れ過ぎるのだ。
武士は、くつわの音に眼をさますという。若松屋惣七は、ちゃりんという小判の音で眼をさます。どっちも同じことだ。この若松屋惣七は武士出だ。彼は、両刀を手ばさむ気でそろばんを取る。大義名分を金勘定のあきないに移している。みずから商道といっているのが、それだ。
若松屋惣七は、もと小負請入り旗本の次男坊である。一生部屋住みというわけにも行かないし、養子の口だってそうざらにはない。仕官をすれば肩が凝っていやだ。さりとて、浪人しては食うに困る。若さを持てあまして、剣術に凝った。星影一刀流に、落葉返しという別格の構えをひらいたのは、この若松屋惣七だ。それはいま、同流秘伝の一つに数えられた。惣七は、星影一刀流の江戸における宗家と目されている。名人である。達剣である。剣哲である。
では、それほどの剣道のつかい手が、どうしてこんにちの若松屋惣七として、前垂れをしめるようになったか。わけがあるのだ。
さて、腕は立つものの、武者修行に出るというのも、大時代で面白くない。江戸でのらくらしていた。あそんでいると、ろくなことはしでかさない。女ができた。