Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
豪気な額だ――金座方でもなければ手にすることもなさそうな鋳きたての小判で、ざっと五百両!
「こ、この女が五百金! はてな」
と小首をひねると、色から欲へ、閑山ずんと鞍がえをした。
いるだけ抜いてもとのとおりにあとをしまい、衣紋をつくろい終わって女が呼ぶ。
「佐渡の土さ。落とすとちりんとなくやつだよ」
閑山はふらふらとして現われた。
白痴か茶番か、女は自分で今買い取った鎧櫃の覆をあけて、裾を押えてはいり込もうとしている。
ほんとにこの中へこもる気!
閑山は真剣にまごつき出した。と、思い当たったのがさっき顔を見せた仲間奴のこと。
識っている! あの男なら記憶がある。
なぜ早くここへ気がつかなかったろう?
この女は捕吏に追われているのだ!
「そうだっ」
とこの考えがぴいんと頭へ来ると同時に、別のたくらみが白雨雲のように閑山の胸にわく。
このからだとこの金、これだけの代物と五百両、誰に渡してなろうか――。
「お爺つぁん、覆しておくれよ」
女の声で閑山はわれに返った。
「よし。が、どこへ届けてやろう?」
「どこでもいいよ。どこか遠くへ持ってっておくれ」
「遠くへ?」
「ああ、面白いところへさ」