Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
刀で命を落とすのなら、当時のこと、珍しくはないが、これは、花が咲いて死ぬのだから、風流どころか薄気味が悪い。
江戸じゅうの手先が、猿眼をして探索にかかったが、毎日のようにお役向きが急死するばかりで、何が何やら、さっぱり眼鼻がつかないのだ。
花が咲いて死ぬとは?
それはこうだ。
出先からかえってくると、にわかに大熱が出て息を引き取る。遺骸のどこかに、必ず紅い小さな花が、幻のようにぽっかり咲いている。人間に根をおろして花を咲かす草。
まことに怪しい話。
それが役人ばかりでなく、講武所雇いの御用浪人から町方の眼明かしまで赤い花のために続々殺られるに及んでは、何者かはしれないが、この植物を流用する者の目的は知れた。
幕府方への欝憤と復讐!
小額付に一文字の大髷、打割羽織に小倉の袴、白柄朱鞘の大小を閂のように差しそらせて、鉄扇片手に朴歯の下駄を踏み鳴らしてまわるいかつい豪傑が、まるで順番のようにばったばったと他愛なく死る。
死に花を咲かせた、などと洒落ている場合ではない。
本八丁堀屋根屋新道、隠密まわり税所邦之助の役宅へ呼ばれて、この花の一件をしかとおおせつかったいろは屋文次、かしこまりましたと立派にお受けして引きさがりはしたものの、てんで目ぐしというものが立たない。