Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
ひところ、匙一本で千代田の大奥に伺候したことさえあるので、いまだに相良玄鶯院と御典医名で呼ばれている名だたる蘭医、野に下ってもその学識風格はこわ面の浪士たちを顎の先でこき使って、さて、何をどうしようというのでもない。
足らないがちのなかに食客を置いて、こうのんこのしゃあと日を送っているのだから、確かに変物は変物だ。
食客というと、この新太郎も怪しくなる。独身の謹直家だからもちろん実子ではあり得ない。では養子だろうというに、そうでもない。棄児かといえばこれまたしからず。じゃあ何だということになると、実は何でもないのである。
ただへらへら平兵衛の相識の按摩の夫婦がどこからかもらって来て育てていたのが、去年女房に死なれて盲目ひとりで困っているのを、平兵衛が勝手に引き取ってきただけのことなのだから面白い。
のんきな話もあったもの。
が、今では主人の玄鶯院が新坊でなくては夜も日も明けないありさまで、夜中に咳の一つもしようものなら守人と平兵衛を起こしまわっててんてこまいを演ずるという騒ぎ。
きさくな連中がそろっているからどこの誰の子かは知れないが、新太郎も温い人情に包まれて、幸福に健やかに五つの春を迎えている。