Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
文次の口の動くのをみつめて、侍は片えくぼを深めている。安兵衛め、少しずつ安心してにやにやし始めた。
文次は手を振った。
「まあま、御安心なせえまし。わたしどもは決して貸家にはいり込んで他人様の荷を知らん顔して着服するような者じゃあごわせん。ねえ、あなたはここで鎧櫃を受け取ったそうですが、ちと悪戯が過ぎませんか。まあさ、仮に、仮にですよ、泥棒――といわれても、いい抜けはござんすまい」
「なんのことだ、それは」
白い顎を襟へうずめて、侍は上眼使いに媚びを送る。いやな野郎だな、と思うと、文次はかあっとなった。そして突然そこにあるからの鎧櫃を指さした。
「おうっ、お侍さん。これだ! ね、内部の物はどうしましたえ?」
ずばりといってのけた。
ところが侍、雨蛙のような声で笑い出した。
「げげげげ、知らんぞ、そんな物」
「知らねえはずがござんすまい」文次は強くはね返した。
「この鎧櫃に五百両さ」
「くれるのか」
「ちっ、ふざけっこなしに願いますぜ。ねえ、あんたは悪気はなかろうが、こちとらあ頼まれて鉦や太鼓で捜してるんだ。こうっ、返してやんなよ。え? いい功徳になるぜおい」
「無礼な口をきくな。