Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
俺が来たときあちょうど始まるところだったから、おのれってんで武者振り――」
「おいおい、わかったってことよ。そう身振りをしちゃあ泥が飛んでしようがねえ」
「そうか。どっちへ行った、女は?」
「野郎といっしょにあっちへ行った」
「あっちへ行ったといって、立って見てるやつもねえもんだ。追っかけねえのかよ。じれってえな、こいつら」
やつ当たりの丹三について、一丁先の曲がり角までぞろぞろ行ってみたが、男も女もとうの昔に姿を消している。
「おらあ帰って、殿様に合わす顔がねえ」
丹三が泣き出しそう。
「なあにお前、案ずるこたあねえさ。そのまんま持って行くがいいや、どうも裏表なしの塗りつぶしと来てらあ」
ひどいことをいうやつもある。
頭巾で包んでいたから相手の顔はわからないが、明らかに武士ではない。
かといって、あんなに強い町人があろうとも思われぬ。
男を売るのが商売の侠客か。
とにかく、網の中の魚を大海に逸したも同様で、今さらこぼしても六日のあやめだ。
美人をかつぐ代わりに、臭気ふんぷんたる真っ黒くろ助の帝釈丹三を遠巻きにした一行が、すごすごともとの坂へかかったころ。
東天紅。