Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

と一声、早い一番鶏の鳴く音。

お江戸の朝は、まず薄紫の空から明けはじめる。

三味線堀の宗匠手枕舎里好

ここは下谷、三味線堀。

めっかち長屋の一棟、狂歌師手枕舎里好と名乗る男の家である。

よほどぐっすり眠ったとみえて、女が眼をさましたときは、一間きりない部屋に、もうだいぶ長い陽脚がさし込んで、勝手もとで主人の里好の味噌をする音がしていた。

寝過ごしたのが気恥ずかしくて、いそいで、起きようとすると、夢で泣いたものか、枕紙がひんやり湿っている。きのうからのことが思い出されて、おびえたこころは泪っぽくなっていた。

手早く床をたたんで身じまいをした。敷き蒲団の下に入れておいた金包みを肌へ巻くには、音のしないように気をつけなければならなかった。もうどうしても人を信じられない気もちになっていた。

昨夜助けられた男に伴なわれて来て、女はここに泊まったのである。

古びてもいるし、狭いも狭いが、なんという取り散らした部屋の中。

皿小鉢が衣類や襦袢と同居して、徳利のそばには足袋がころがり、五郎八茶碗に火吹き竹が載っかっているかと思うと、はいふきに渋団扇がささっている騒ぎ。