Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
寝たふりをしているうちにほんとに眠ってしまったものとみえるが、何にしても人を食った度胸といわなければならぬ。さすがの女もこれには舌を巻いた。
「まあ! あきれた人だよ。さんざあたしに骨を折らしておいてさ」
口には恨みがましく出ても、何ともいい知れないたのもしい気がこみ上げてくる。微笑を残して眠りをさまさないようにと跫音を忍ばせ、もとの座へ帰ろうとすると、枕の下に、ちらと光る物が女の眼にはいった。
気味の悪い風が吹いて来たぜ
小判である。
拾い上げて見ると、眼印がある。
抜けるように白い女の顔に、驚愕が紅をさした。
「あれ!」危うく声を立てようとして口を押える。「まあどうしてこの人がこの小判を※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
これは確かに自分の小判。もっともあの神田の津賀閑山の店で鎧櫃へひそんでから、まだ一度も財布をあらためたことはないけれど、もし落としたとすれば鎧櫃に揺られていたときに相違ない。それをどうしてこの人が持っているのだろうか?
この人とてもまともの渡世でないことはさっきの騒ぎでもおよその想像はつこうというもの。今来た男からでもとったのだろうか。