Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
文次は笑う。
「よく御縁がござります。へへへ、手前は此店の手代で」
「手代? 見たことのないやつだな」
「御冗談でございましょう。お! 御冗談といえばもう一つその御婦人とやらでおなくなりなすったというのもあんまり破目をはずした御冗談じゃありませんかね」
「何だと!」
「あの女は生きております」
「どこに、どこにいる?」
丹三が思わず口を出した。
「ここから丑寅の方に立派に生きております」
「何をいやんでえ! うせ物じゃああるめえし」
「心配するねえっ」文次は急に巻き舌に変わった。「いどころは俺が知ってらあ」
「な何と申す?」
「知ってるから知ってるといったんだ。それがどうした?」
「おのれ、無礼なやつ」
「はっはっは、刀に手をかけてどうなさるお気だ。ねえ、物は思案ずく、出るところへ出てちいっと困るのはお前さん方じゃござんせんか。白痴が犬の糞を踏みあしめえし、下手なしかめっ面あ当節流行らねえぜ」
「うぬ、いわせておけば――」
「いくらでもいいます。女が生きてたら文句はあるめえ。見たけれあ明日お奉行所へ来なさるがいい。帰れ、帰れ」
いいながら、文次は、ずかりと胡坐を組んだが、わざと膝で胸を突き上げたから、はらりと懐中の袱紗が解けて、十手の先が襟もとからのぞく。