Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

そのうちに磯五の内儀となって立派に披露もし、財産もみんなこの磯屋の商売へつぎこむつもりでいる。五兵衛さんも進んでいるが、わたしも進んでいる。ふたりは恋仲でございますといわんばかりに、おせい様は、あけすけに何でも話すのだ。

二

お高は、何にもいえなかった。弱々しいおせい様が、あまりにうれしそうに輝いてみえるのだ。そういうおせい様は、まるで十七、八の花嫁さまのように美しいのだ。お高は不思議なものに憑かれたような気がして、このおせい様の前に、自分がすでに磯五の妻であるとはどうしてもいえなかった。

男が家出してから今まで三年のあいだ別居してきはしたものの、そしていくら音信不通だったとしても、磯五自身が若松屋惣七にいったように、去り状というものをもらっていない以上、じぶんはやっぱり磯五の女房であることに変わりはない。現に磯五も、それをいい立てて自分を金剛寺坂からここへつれて来て、たったいま、もとどおりになってくれと頼んでいる最中に、ちょっと中座したばかりではないか。

それなのに、この女は、どこからか、ひょっこり現われて、夫婦約束をかわしたとか何とか、もうあの人を良人扱いにしている――お高は、夢をみているような心持ちがして、これは何かのまちがいであろう。