Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「そうか――では、余儀ない。斬る」
「面白え! やってくれ。てへっ! 一つ注文があらあ。片身におろして、骨つきのところを中落ちにするんだ。どうでえ、田舎侍の板場じゃあこう意気にあゆくめえ。ざまあねえや」
安兵衛、丸太を斜に構えて食いしんぼうなたんかを切っている。ほんとに斬りそうだったら逃げれあいい。足が早いし、この闇黒の夜、ふっと消えうせるぐらい、安にとってはお茶の子さいさいだ。だからいやに鼻っぱしが強い。
銀二郎が見ると、守人は路傍にうつぶせに、じっと動かない。
この上は早くとどめを――とは思うが、御免安という変な奴が、眼の前にのっそりといばっている。
いささか持てあまし気味で、銀二郎は不思議そうに安をみつめた。が、果てしがない! と考えたか黙ったまま振りかぶった一刀を、安をめがけて打ちおろそうとした間一髪、にわかに、乱れた足音が坂を登ってきた。
と知るや、急にあわて出した銀二郎は、守人も安もそのままにして、刀を下げたなりで、するするとそこの影屋敷の門内へ吸いこまれて行った。
守人にかけ寄った安兵衛、傷は重そうだが、まだ息があるようだとみると、ひとり何事か決意したらしく、ぐったりしている守人のからだをかついで、影屋敷とは反対の側の草原へはいりこんだ。