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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

「貴方は守人様! お久しうござります。ど、どうしてここに。――」

守人はわれとわが身を疑うもののごとく、しばし女の顔をみつめていたが、くずれるように、上がり端へあぐらをかくと、そのままお蔦を引き寄せて大刀を持つ手で、ひしと抱き締めながら、

「お蔦か。おお! お蔦だな。お蔦だな――どうしておった。痩せたな。苦労したか――苦労したか、あいたかったぞ」

声の出ないお蔦、守人の膝にすがって、身をもんで泣くばかり。

仔細ありと見てか、場をはずした文次、再び帰ったときは、手に脇差の鞘を払って、

「さあ、さあ、つきたての餅みてえにくっついているときじゃありませんぜ。ここでね、文次もちょいと殺生のまねをしなくっちゃならねえ。お二人は二階へ。――」

そのことばの終わらないうちに、戸の外で、銀二郎のだみ声だ。

「いろは屋さんはこちらですか。いろは屋の親分!」

「はい」

文次は静かに答えて守人の顔を見る。涙にぬれるお蔦を押しやった守人、ひそかに帰雁を引き抜いて、あけるがいい、あけるがいい――と目くぼせ。

「あんたは怪我人だ。なあに、あっし一人で大丈夫――」

「遊佐なら人手を待たぬ。