Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

なかで、三人の話し声がしていた。話に気を取られて、お高の声も聞こえず、はいってきたのも知らなかったのだ。

国平の声が聞こえた。

「いや、あのごようすは、ただごとじゃあねえ。お高さんがいねえからばかりだとは、おいらにあ思えねえのだ」

「そうよなあ。そういえば、朝から何一つお口へも入れずに、ひどくふさいでいなさるようだな」

「全く、あんな旦那をおいら幾年にも見たことがねえのだよ」

お高は、はっと胸を突かれたような気がした。黙って、そこを通り過ぎると、駈けるように縁へかかった。長い縁だ。胸をさわがせて、いそいで歩いて行った。

例の帳場になっている茶室の前へ出た。障子がしまっていた。中は、人のけはいもないように、しずかだった。お高は、思い切って声をかけた。

「旦那さま、ただいま帰りましてございます。高でございます」

すると案外すぐ若松屋惣七の冷たい声がした。

「お高か。はいれよ。わたしは、手も足も出ないことになった。若松屋も、これで身代限りだ――」

荒夜

一

「お高――どのか。わたしは、無一文になりました。は、は、は、見事に無一文になりました」

笑うようにいった。