Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
いや、わしづかみにしているのである。
お高は、それほどのこととは思わなかった。で、せっかく帰って来たのに、妙な皮肉をいわれると思うこころが、彼女をちょっとすねてみたくさせた。
「人間は身勝手なものであるとおっしゃいますのは、わたくしが帰ってまいりましたのが、いけなかったのでございましょうか。磯屋と二度の念がかなって、あの店へ乗りこむなどと、あんまりでございます。なんぼなんでも、高は、そんな恥知らずではございません」
思わず強いことばが出たのに、じぶんでも驚いたお高が、ふと惣七の顔に眼をそそぐと、お高の声が聞こえなかったように、若松屋惣七は、きょとんとしている。
やがていい出した。なかばひとり言だ。
「馬鹿だった」表情のない声だ。「わしが大馬鹿だった。誰を恨みようもない。おのが綯った縄で、縊れ死ぬようなものなのだ。お高どの、掛川宿の具足屋という宿屋のことを話したことがあったかな?」
「はい。伺いましてございます。脇本陣とやらで、たいそうお立派な御普請でございます。いつぞやも絵図面を見せていただきましてございます」
「そうであったかな。あの具足屋の一件なのだ。