Japanische Klassiker mit Furigana
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ていぎんじけんをろんず
帝銀事件を論ず
Lesen Sie 帝銀事件を論ず (ていぎんじけんをろんず) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.227 Zeichen · 15 Bildschirme
いたずらな禁止は、好奇心のもとであり、すべてを各人の責任にまかせるとき、やがて道義はおのずから各人の自覚によって育つものだ。
私はこの現実の日本において、最も大きな罪のもとをなすものは、物資の窮乏をおいては、つぎに、為政者の国民への不信であると考える。自らのみ道義あつく、心正しきものとする為政家ヅラほど浅はか、醜悪なものはない。御身等はこの欠配に死にもせず、痩せもせぬとはなぜであるか。まずそれを考えることである。
私は政治家が、政治家的ルートによって暖衣飽食していることをとがめたいとは思わぬ。むしろ暖衣飽食すべきだと思う。かつての米内大将のごとくに、ゾースイをすすり、国民に範をたれるのも、その人格の高潔なる、まことに有難いことだけれど、しかし、政治は清貧を事とする無策なものでは困るのである。たとえば、さきに餓死した判事のごとき人物が首相となり、窮乏の時であるから遅配に我慢せよ、余が範をたれると称して餓死されては、国民たるもの、降参せざるをえない。無策のシムボルとして自ら清貧の範をたれるのは、政治ではない。その有策のゆえに選ばれ、国民の輿望を担うて策を施すのが、政治家というものだ。