Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.252 Zeichen · 9 Bildschirme
近所ずからのこと、また同病のことで、何かと奥の人たちと往復して、平生よりもまた近しくなった処、眼鏡屋の妻君のいうには、私の宅でも柳橋の古川さんに掛かっておりますが、どうも、さらに験が見えません処を見ると、あのお医者は籔の方ではありますまいかなどいう。こちらでも、どうも、ますます重って行く処を見ると、余り上手なお医者さまとは受け取れませんなど話が合う。私は、そういう噂などチラチラ小耳に挟む所から、或る日、改めて古川医師に師匠の容態を承ると、
「今日の処は、師匠の病気はしのぐ時である。直す時機はまだ来ない。ここ暫くを通り越して、さて曙光を見た処で、初めて薬が利くので、それから漸次快気に向うわけであって、今日の処は、拙者はそのしのぎをつけている。気長に、鄭重に、拙者が引き受けてやれば、万、生命に係わるようなことはない。しかし、薬は必ず油断なく服ませてくれ」
こういう古川医師の返答。私も尤のことと思い、何分ともよろしくと申し、この上はこの人の丹精によって師匠の一命を取り止めるより道もないことと観念致しおった次第であった。
ところが、ここに一つ困ったことが起った。