Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.763 Zeichen · 6 Bildschirme
ということにしました。で、木なら何んでも彫るとなると、相当注文はある。注文によってはこれも何んでも彫る。どんなつまらないものでも彫る。そこで、洋傘の柄を彫る。張子の型を彫る(これは亀井戸の天神などにある張子の虎などの型を頼みに来れば彫るのです)。その他いろいろのものを注文に応じて彫りましたが、その代り今年七十一(大正十一年十二月)になりますが、ついに道具屋へ自作を持って売りに行くことはしないで終りました。
こういう風で、この当時は、私の苦闘時代といわばいって好い時であった。
前に申す如く、西町の三番地の小さな家の、一間は土間、一間は仕事場で、橋を渡って這入れば竹の格子があって、その中で私はコツコツと仕事をやっていた(通りからは仕事場が見えた)。
すると、或る日、前に話した袋物屋の、米沢町の沢田銀次郎が訪ねて来ました。この人は以前蔵前の師匠の家にいた当時、あの珊瑚樹に黒奴のとまっている仕事をたのまれた関係で、旧知の人でありますから、久しぶり対面しますと、「一つ木彫りをお願いしたい」ということである。今時分木彫りをわざわざ頼みに来るのは不思議のようであるが、この沢田は貿易物の他に、地の仕事をも請け合うのですから、私に木彫りを頼みに来たのであった。