Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.390 Zeichen · 7 Bildschirme
それはなかなか狆らしい狆で、どうも好さそうに思われるので、それが欲しくなりましたが、葉茶屋では自慢にするほど可愛がっているらしいので、ちょっとどうするわけにも行きません。
けれども、まず当って見ない分には容子も分らないので、そんなに入用でもない番茶やお客用の茶などを買いまして、店先に腰を掛け、そろそろその狆を褒め出したものです。可愛がっているものを褒められれば誰しも悪い気持はしませんが、細君が奥から出て来て講釈を初める。私は一服やって狆の話を聞きながら、細君があやしているその狆の様子を見ると、どうも、いかにも狆らしくて好さそうである。
それで私は言葉を改め、
「実は、私は近日一つ狆を彫ろうというのですが、お宅の狆はいかにも種が好さそうで、これを手本にして彫ったら申し分なかろうと思うのですが、手本にするには手元におらないと仔細な所を見極めることが出来ませんので、甚だ当惑している次第ですが、どんなものでしょうか、無躾なお願いですが、この狆を一週間ばかり拝借することは出来ますまいか。もっとも狆の手当てはお習いして、決して疎略にはしません。一つ御無心をお許き下さるわけには参りますまいか」