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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.451 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

それを思うと、二百円も高いものではなかったのです。

私は、いよいよ猿を彫ろうと目論でいる処へ、八月の末に娘が加減が悪くなり、看護に心を尽くした甲斐もなく、九月九日に亡くなってしまいましたので、私の悲しみは前にも申したような次第で、一時は何をする気も起りませんでしたが、こういう時に心弱くてはと気を取り直し、心の憂さを散らすよすがともなろうかと、九月十一日娘の葬送を済ますと直ぐに取り掛かったことでした。

もはや、明治二十五年も九月の半ば、農商務省からの日限はその年の十二月のさし入れに製作を納めなければならんという注文。今日から手を附けても、随分時期は遅れております。木は庭に雨掩いをこしらえて、寝かせたままで、動かすことも出来ません。何しろ一片が九十貫もあるのですから……。

そこで、いよいよ鑿を入れて見ましたが、栃は木地の純白なものと思っていたのは案外。この材の色は赤黒く、まるで桜のように茶褐色でありますので、最初の白猿を彫ろうという予期を裏切られました。しかし、材質はなかなかよろしく、彫刻には適当でありました。栃の木の木地の純白なのは若木のことで、この木のように年を経ては茶褐色を呈して来るものかと思いました。