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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひらがげんないとりものちょう

平賀源内捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.159 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

二つの前例通り、どこを見ても変った足跡などはない。気のきいたつもりのやつが、二階の屋根瓦の上を這い廻ったが、雀が驚いて飛び立っただけで、ここにも、何の消息はなし。

源内先生の演説

源内先生が、宙乗をしていられる。風鐸を修繕するだけのためだから、足場といっても歩板などはついていない、杉丸を組んだだけの、極くざっとしたもの。

何しろ、大きな筒眼鏡を持っていられるので、進退の駈引が思うように行かぬらしい。三重のあたりまでモソモソと降りて来たが、そこで、グッと行き詰ってしまった。

足場の横桁が急に間遠になって先生の足が届かない。宙ぶらりんになったまま、しきりに足爪を泳がせていられるが、どうして中々、そんな手近なところに足がかりはないのである。

源内先生は、情けない声をだす。

「おい、伝兵衛。どうも、いかんな。こりゃ、降りられんことになった。なんとかしてくれ」

伝兵衛は、面白そうな顔で見上げながら、無情な返事をする。

「何とか、って。どうすりゃアいいんです」

「上るも下るも出来んようになった。頼むから助けてくれ」

「本当に降りられないのですか」