Japanische Klassiker mit Furigana
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ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.159 Zeichen · 39 Bildschirme
「まあ、そうだ」
「そんなら、あっしが助けてあげます。その代りに、一つお願いがあるんです」
「何だ、早く言え」
「あなたのお見込をぶちまけて下さい」
「見込なんか、ない」
「返事がないのは、お嫌なのですか。……嫌なら嫌でもいいよ。頼みを聞いてくれなけりゃア、あっしはこのまま行ってしまうから」
「行くなら行け。そのうちに誰かやってくるだろう。その人に助けて貰うからいい」
「誰も入れません」
「入れんとは、何のことだ」
「山下の駒止札のところに立っていて、誰れも山内へ入れないようにしてあげます」
「馬鹿なことをするな」
「ええ、どうせ馬鹿ですから」
「これは弱った。気が遠くなりそうだ」
「たった一言でいいんです。そうしたら、あっしが上って行って抱きおろしてあげます」
「止むを得ない、話してやる」
伝兵衛は頓狂な声をあげて、
「えッ、じゃア、本当に見込がついているんですか」
「うむ、ついている。……実のところ、今度の『本草会』の席で披露して、四隣を驚倒させるつもりだったんだが、背に腹はかえられぬからぶちまける」
「勿体ぶっちゃいけません。そらそら、あなたの手が顫えて来ました。早く早く……」