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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひらがげんないとりものちょう

平賀源内捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.159 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

いよいよとなったら、あっしも少し言ってやることがあるんです」

源内が先に立って、楽屋口から頭取座の方へ行くと、瀬川菊之丞が、傾城揚巻の扮装で、頭取の横に腰を掛けて出を待っている。

五歳の時、初代路考の養子になり、浜村屋瀬川菊之丞を名乗って、宝暦六年、二代目を継いで上上吉に進み、地芸と所作をよくして『古今無双の艶者』と歌にまでうたわれ、江戸中の女子供の人気を蒐めている水の垂れるような若女形。

源内先生は、大体に於て飾りっ気のないひとだが、こんなことになると、いっそう臆面がない。

薄葉を手に持って、ズイと路考のそばへ寄って行くと、

「路考さん、突然で申訳ないが、この手紙は、あなたがお書きになったのでしょうね」

路考は、何でございましょうか、と言いながら、パッチリを塗った白い手を伸して、それを受取って、ひと目眺めると、どうしたというのか、見る眼も哀れなくらいに血の気をなくし、

「……はい、いかにも。これは、あちきが書いたものに相違ござんせんが、これが、どうしてあなたさまのお手に……」

伝兵衛は、横合いから踏み込んでいって、

「おい、浜村屋さん、これは、たしかにお前さんが書いた手紙に相違ないんだな」