Japanische Klassiker mit Furigana
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ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.159 Zeichen · 39 Bildschirme
開けて見ますと、思い掛けない、つけ根から切りはなした蚕のようなふっくらとした白い小指が入っておりました。……この以前も、このようなものをむくつけに送りつけられたことはないでもございませんでしたが、いたずらな町家娘とわけがちがい、向さまは由あるお公卿さまのお姫さま。そんなご身分の方が、あちきのような未熟な者をこれほどまでにと思いますと、嬉しさかたじけなさが身に浸みまして、あちきもとり逆上たようになり、使いや文で、せっせとお誘いいたしたのですが、どうしたものか、お出ではおろか、お返しの文もございませぬ。その頃、殺手姫さまは、金杉稲荷のある、小石川の玄性寺わきのお屋敷に住んでいられましたが、今もうし上げたようなわけなので、あちきもたまりかね、玄性寺の塀越しになりと、ひと目お姿を見たく思い、その時差上げたのが先刻の手紙。……参詣旁々遠眼にお姿を拝見したいから、六ツ半ごろ、眼に立つところにお立ち出でくださるようにと書いて差上げました。……殺手姫さまのお屋敷には、玄性寺寄りに高い高殿がありますので、あちきのつもりでは、そこへお立ちになった姿を拝見しようと思ったのでございました」