Japanische Klassiker mit Furigana
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ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.946 Zeichen · 34 Bildschirme
並べてここでお待ちしていたようなわけで……」
伝兵衛は、ちょっと手を下げて、
「それは、どうも有難うございました。こちからお願い申さなければならないところを」
磨き檜の板壁に朱房の十手がズラリと掛かっている。その下へ座蒲団を敷いて、さて、
「早速ですが、美濃屋清吉というのは、どういう素性の男なんで」
甚兵衛という年嵩の方が、頷いて、
「はい、あなたもご存じでいらっしゃいましょう、先代の美濃清はそれこそ、譬え話になるような頑固な名人気質。曲ったことの嫌いな竹を割ったような気性の男でしたが、これが三年前に死にまして、今は忰の清吉の代になって居ります。……依怙贔屓になりますから、ありようをざっくばらんに申上げますが、どちらかといえば、鷹に鳶。仕事は嫌いではなさそうですが、ちょっとばかり声が立つもんだから清元なんかに現を抜かして朝から晩まで里春のところに入り浸り。半分は評判でしょうが、毎朝小ッ早く出かけて行って、里春の寝てるうちに火を起すやら水を汲むやら、大変な孝行ぶりだということです」
「この、担呉服の瀬田屋藤助というのは」
「ずっと京橋の金助町におりまして、麹町にまいりましたのはついこの春。