Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひらがげんないとりものちょう

平賀源内捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.946 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

……定太郎と織元の娘を縁組みさせ、結納の三千両で息を吹きかえしたと見せ、たくし込んでおいた古金でそろそろ思惑をはじめようというのが実情なんです。……ところが、象の右の後脚のからくりを知っているのは四人の中では定太郎だけ。これは申上げるまでもない。……そもそも、里春を象の腹の中へ入れご上覧の節、象の腹の中で小唄をうたわせて、アッといわせてやろうなんてえ発議したのは定太郎なんだから、こりゃアどうも抜き差しがなりません」

「くどい男もあればあるもの。何のためにそんな手の籠んだ真似をしたのだ」

「言うまでもないこってしょう。もう間もなく縁組みをしようというのに、里春の纏いつきが欝陶しくてたまらない。どんなことがあっても、じぶんに疑いがかからないような方法で……、まかり間違ったら、美濃清に全部ひっかかるように充分練りに練って仕組んだことなんです」

「わかったようなわからないような変なぐあいだな。そんなことで、じぶんに疑いをかけられずにすませられるだろうか」

「だって、そうだろうじゃありませんか。あの沢山の人眼の中を練りながら、その腹の中の人間を殺せようとは誰も考えつかない。