Japanische Klassiker mit Furigana
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あきばしょから
平野零児随想集 らいちゃん
平野 零児
Lesen Sie 平野零児随想集 らいちゃん (あきばしょから) von 平野 零児 (ひらのれいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.838 Zeichen · 48 Bildschirme
尾崎君は私とともに桟敷に座って、一度も桟敷を離れなかった。彼は自分で『相撲を見る眼』の中で「昔から土俵に人生的感傷を加えるくせのある私は、今日といえども悲劇的な要素に心をひかれる」と語っているが、確かに彼の相撲にひかれるものは、やはり土俵上の一瞬の、ひたぶるな勝負に、勝敗そのものでなく、人生のきびしさを味到しようとしているらしい。そしてその土俵の真剣さ豪快さを、彼自身の創作態度に結びつけて、心の糧としているらしい。だから、尾崎君の場合は、相撲見物は単なる娯楽の対象ではないようである。
帰来、文学的にも、生活的にも、思想的にも、ただ老残の焦りにさまよっている私に、国技館の一日を誘ってくれたのには、あるいはこんなところに、彼の私への友情があったのではないかとも思った。そのことを小山君に語ると、小山君は大きくうなずいた。「僕も、毎日相撲に酔っているんではない。日本人の感情を養っているのだ」といっていた。