Japanische Klassiker mit Furigana
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まぼろしのその
幻の園
豊島 与志雄
Lesen Sie 幻の園 (まぼろしのその) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.788 Zeichen · 14 Bildschirme
広い温厚な額、高い鼻、美しい長い口鬚、恥しそうな笑顔……ほかの兄弟――伯父さんたちと違ってる顔でした。
「誰にも云ってはいけませんよ。あなた一人にだけお話するんですから……。」
そして祖母はまた長い間私を抱きしめてじっとしていました。
私が鼻をかんで、黙って離れますと、祖母は三組の杯を丁寧に箱に納めました。そして私たちは土蔵から出て来ました。外の光がまぶしく思われました。
そのまぶしい光に眼も馴れると、私はひどく力強くなった気がしました。もう何の秘密もないんだ。私は何もかもみな知ってるのでした。
私は家敷の中を歩き廻りました。青竹を切って弓矢を拵えたりしました。
みよ子が遊びに来ると、私は云いました。
「お祖母さんに聞いたよ。僕には兄弟はないんだって……。」
みよ子は眼をくるくるさせました。
「僕は一人っ児なんだ。君とも姉弟じゃないよ。」
みよ子の眼が大きくなって、それから小さくなって、涙がぽろぽろ落ちました。
「泣かなくてもいいよ。」そして私は一寸傲慢な気持で考えてから云いました。「その代りやっぱり姉弟になろう。」
私はみよ子を引張って、奥の十畳の座敷に行きました。