Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかげのまち
幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選
松本 泰
Lesen Sie 幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選 (ひかげのまち) von 松本 泰 (まつもとたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.797 Zeichen · 107 Bildschirme
「ビアトレスさん、余り心配なさらないがいいです。伯父さんもいることですから、小母さんの為には、どんな事でもして吃度小母さんの御心配を取除くに違いありません。然し一体それはどんな手紙でしょう」
坂口は霎時していった。
「今迄私の見た事のない筆蹟で、それがみんな、同じ人から来るらしいのよ。母さんは女中にさえ、手紙の上書を見られるのを厭がっていらっしゃるのです。今朝もエドワード夫人が手紙を受取って、母さんのところへ持っていったら、平常の母さんに似合わず、引奪るようにしてそれを持って、二階へ引込んでおしまいなすったのです」
「それは林伯父さんの手紙ではありませんか」
「真逆そんな事はないわ。無論、男の筆蹟には違いありませんが、小父さんとは違ってよ」
「そんなに度々何処から手紙が来るのか知ら……お待ちなさい、私も考案がある」
「どんな事?」
「小母さんの後を尾行ければ、きっと手紙の差出人が判明ると思います」
「貴郎、そんな事をして若しそれが、万一母さんの為に悪い事だったらどうしましょう」ビアトレスは周章てて押止めた。
「そんな事は必ずあるまいと思いますが……それでは伯父の力を借ります」