Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかげのまち
幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選
松本 泰
Lesen Sie 幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選 (ひかげのまち) von 松本 泰 (まつもとたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.797 Zeichen · 107 Bildschirme
男がエリスの右側にいて、右脇を射撃れたのであれば、何者かが右手の雑木林に潜んでいて発砲したものに違いない。
彼は呆気にとられているエリスとビアトレスを後に残して、忙しく表へ飛出した。
坂口はパラメントヒルへ急いだ。そして前夜と同じ道路を通って、兇行のあった場所へ出た。彼は腰掛の前までいって後戻りをすると、径の二股になったところから左手の路をいって見た。次に右手の雑木林へ入込んで、注意深く地上の足跡を検べたが、晴天続きのために、地面はすっかり乾き固っていた。最初彼は足下の草が踏にじられていたり、灌木の枝や葉が折れちぎれているのを発見して、眼を輝したが、すぐ後からそれは警官や探偵が兇器を捜査する為に入込んだものと知った。
雑木林を出ると、彼は更に腰掛の附近を思うままに調べて見ようと思ったが、最前からその近くにうろうろしている平服の刑事が、怪訝らしく彼の挙動を見守っていたので、足早に其処を去った。
池の縁を通りかかったとき、前夜道路を横切っていった女の後姿が、チラと脳裡に浮んだが、公園を出ると既うすっかり忘れていた。彼は市街へ帰った。然しどういう気持か、ひきつけられるようにH公園の傍にあるパーク旅館の前へ出て了った。