Japanische Klassiker mit Furigana
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げんだん
幻談・観画談 他三篇
幸田 露伴
Lesen Sie 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.544 Zeichen · 161 Bildschirme
でも僕には鮒のほかのものは釣れそうに思えなかったからネ。お相撲さんの舟に無銭で乗せてもらって往還りして彼処で釣ったのだよ。
無銭で乗せてもらっての一語は偶然にその実際を語ったのだろうが、自分の耳に立って聞えた。お相撲さんというのは、当時奥戸の渡船守をしていた相撲上りの男であったのである。少年の談の中には裏面に何か存していることが明白に知られた。
そうかい。そしてまた今日はどうして此処へ来たのだい。
だってせっかく釣って帰っても、今小父さんの言った通りにネ、昨日は、こんな鮒なんか不味くて仕様がない、も少し気の利いた魚でも釣って来いって叱られたのだもの。
誰に。
お母さんに。
じゃお母さんに吩咐られて釣に出ているのかい。
アア。下らなく遊んでいるより魚でも釣って来いッてネ。僕下らなく遊んでいたんじゃない、学校の復習や宿題なんかしていたんだけれど。
ここに至って合点が出来た。油然として同情心が現前の川の潮のように突掛けて来た。
ムムウ。ほんとのお母さんじゃないネ。
少年は吃驚して眼を見張って自分の顔を見た。が、急に無言になって、ポックリちょっと頭を下げて有難うという意を表したまま、竿を持って前の位置に帰った。