Japanische Klassiker mit Furigana
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げんだん
幻談・観画談 他三篇
幸田 露伴
Lesen Sie 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.544 Zeichen · 161 Bildschirme
「ああこの雨を孕んでやがったんで二、三日漁がまずかったんだな。それとも赤潮でもさしていたのかナ。」
約束はしたが、こんなに雨が降っちゃ奴も出て来ないだろうと、その人は家にいて、しょうことなしの書見などしていると、昼近くなった時分に吉はやって来た。庭口からまわらせる。
「どうも旦那、お出になるかならないかあやふやだったけれども、あっしゃあ舟を持って来ておりました。この雨はもう直あがるに違えねえのですから参りました。御伴をしたいともいい出せねえような、まずい後ですが。」
「アアそうか、よく来てくれた。いや、二、三日お前にムダ骨を折らしたが、おしまいに竿が手に入るなんてまあ変なことだなア。」
「竿が手に入るてえのは釣師には吉兆でさア。」
「ハハハ、だがまあ雨が降っている中あ出たくねえ、雨を止ませる間遊んでいねえ。」
「ヘイ。時に旦那、あれは?」
「あれかい。見なさい、外鴨居の上に置いてある。」
吉は勝手の方へ行って、雑巾盥に水を持って来る。すっかり竿をそれで洗ってから、見るというと如何にも良い竿。じっと二人は検め気味に詳しく見ます。第一あんなに濡れていたので、重くなっているべきはずだが、それがちっとも水が浸みていないようにその時も思ったが、今も同じく軽い。