Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

げんだん

幻談・観画談 他三篇

幸田 露伴

Lesen Sie 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.544 Zeichen · 161 Bildschirme

Aozora Bunko

晩成先生もさすがに慌て心になって少し駆け出したが、幸い取付きの農家は直に間近だったから、トットットッと走り着いて、農家の常の土間へ飛び込むと、傘が触って入口の檐に竿を横たえて懸け吊してあった玉蜀黍の一把をバタリと落した途端に、土間の隅の臼のあたりにかがんでいたらしい白い庭鳥が二、三羽キャキャッと驚いた声を出して走り出した。

何だナ、

と鈍い声をして、土間の左側の茶の間から首を出したのは、六十か七十か知れぬ白髪の油気のない、火を付けたら心よく燃えそうに乱れ立ったモヤモヤ頭な婆さんで、皺だらけの黄色い顔の婆さんだった。キマリが悪くて、傘を搾めながらちょっと会釈して、寺の在処を尋ねた晩成先生の頭上から、じたじた水の垂れる傘のさきまでを見た婆さんは、それでもこの辺には見慣れぬ金釦の黒い洋服に尊敬を表して、何一つ咎立がましいこともいわずに、

上へ上へと行げば、じねんにお寺の前へ出ます、此処はいわば門前村ですから、人家さえ出抜ければ、すぐお寺で。

礼をいって大噐氏はその家を出た。雨はいよいよ甚くなった。傘を拡げながら振返って見ると、木彫のような顔をした婆さんはまだこちらを見ていたが、妙にその顔が眼にしみ付いた。