Japanische Klassiker mit Furigana
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にわをつくるひと
庭をつくる人
室生 犀星
Lesen Sie 庭をつくる人 (にわをつくるひと) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.332 Zeichen · 19 Bildschirme
拍子木ともいうが恰も拍子木二本を併べ食いちがい三分の二程度に置いた見取りでゆけばいいのである。これらの飛石のまわりに苔が生えて居れば、何も下草は植えなくともよいものである。しかし処々に白い斑の入った姫熊笹を飛び飛びにかすれた墨絵のように植えるのは、程のよいものである。あるいは苔のままでもよい、苔は日苔といい打水をしないでも蒼々としているのをわたくしは一番に好んでいる。山にある苔である。暑い日には乾いたままで蒼く、へいぜいは水をやらないで折々の雨を待つか或は一週一回ぐらいの水でよい。がっしりした苔である。大庭などはこの苔の方がよい。水をやらない癖にして置けばそのまま苔になるのである。苔は肌のこまかいほどよいとしてあるが、山苔日苔の肌の荒いのは一層の荘重を感じさせるものである。総じて庭は石と苔との値が深ければよい、龍安寺の石庭は或る意味で枯淡な達人の心境をそっくり現わしたものと言ってよい。寂しさにすぐれた人間の心もつき詰めてゆくと、石庭の精神でなければならぬ。わたくしは重い曇天の下で、蹲まり睨み合い、穏かにも優しいかれらの姿を一瞥したとき、すぐ或る種類の人々の心を覗き見た感じをもった。