Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょみんせいかつ

庶民生活

豊島 与志雄

Lesen Sie 庶民生活 (しょみんせいかつ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.353 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「ちょっと違うな。それが、自由じゃないんですよ。ねえ、朋子さん、自由じゃないでしょう。」

「そうですね、飲むのは自由でも、飲まないのは自由でないようですね。だから、意志薄弱……。」

「それから、高血圧……。だけど僕は断じて病気では死にませんよ。」

朋子はやさしい眼つきで内山を見守った。

「なにか召上りますか。お鮨でも取りましょうか。」

内山は頷いた。娘さんが出前のためいなかったので、朋子は自分で出かけて行った。

内山は顔を伏せたまま言った。

「おばさん、いつも勝手ばかり言って済みません。朋子さんにも済まない。けれど、僕は幸福な男ですね。朋子さんはほんとによく尽してくれますよ。」

突然、内山は涙を流していた。一種の感傷だったろうが、それも、高血圧のためかも知れなかった。

私は悪いところを見たような気がしたし、酒も無くなったので、そこで切り上げて帰っていった。

後で聞いたところに依れば、その晩、内山はずいぶんたくさん飲んだらしい。そして、愉快そうに陽気になったり、感傷的に沈み込んだりした。しまいにはもうすっかり泥酔して、体がふらふらしていた。帰りぎわにちょっと出口近い腰掛に腰を下したが、位置がきまらず、土間に倒れて、膝頭で硝子戸の硝子を一枚壊した。