Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しょみんせいかつ
庶民生活
豊島 与志雄
Lesen Sie 庶民生活 (しょみんせいかつ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.353 Zeichen · 21 Bildschirme
怪我はどこにもなかった。援け起されて、壁際の腰掛に坐らせられたが、卓子によりかかりながら、硝子の無くなった小一間の穴を眺めて、嬉しげに言った。
「ははあ、ぽっかり穴が開いてるな。これはいい、ぽっかり穴が開いてる。」
だがもうその方は見ずに、卓子に両腕で倚りかかり、腕のなかに顔を伏せてしまった。
もうずいぶん遅く、他に客もなく、店をしまう時刻だった。だが朋子は、内山のことをおばさんに頼んで、少し距離のある硝子屋へ駆けて行った。硝子屋はすぐに来てくれて、新らしく硝子をはめた。それが済んでから朋子は、眠ってる内山を起して、彼の足許に気を配りながら帰っていった。
それ以来、内山と朋子は峠の茶屋に来ることがたいへん少くなり、来ても少し飲むだけで帰っていった。それで私も、彼等二人に出逢うことが殆んどなくなった。心の中で、彼等の健在を祈る思いだった。