Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうどうちゅうそでん
弓道中祖伝
国枝 史郎
Lesen Sie 弓道中祖伝 (きゅうどうちゅうそでん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.647 Zeichen · 19 Bildschirme
「恩地雉四郎と申す男、決して妾の一族では是無く、赤松家の不頼の浪人であり、以前から妾に想いを懸け、『養由基』ともども奪い取ろうと、無礼にも心掛けて居りました悪漢、それをお討ち取り下されましたこと、有難きしあわせにござります。今日まで彼の要望を延ばし、切刃詰まった今日になって、貴郎様に討っていただきましたことも、ご縁があったからでござりましょう」
こういう意味のことを篠姫も云って、助けられたことを喜んだ。
「今後のご起居いかがなされます?」
こう正次は心配そうに訊いた。
「実は明日大内家より、迎いの人数参りますことに、とり定めある儀にござります。その人数に連れられまして、九州へ妾下向いたします。雉四郎の難題を今日まで、引き延ばして居りましたのもそれがためで、さらに今日一日を引き延ばし、明日になった時難を避け、立ち去る所存でござりました」
こう篠姫は微笑しながら云った。
「きわどい所でござりましたな、私も日中和田兵庫殿に、お目にかかる事出来ませなんだならば『養由基』のお譲りを受けるという、またとある可くもない幸運に、外れるところでござりました」
「ご縁があったからでござります」