Japanische Klassiker mit Furigana
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にじ
彩虹
山本 周五郎
Lesen Sie 彩虹 (にじ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.898 Zeichen · 28 Bildschirme
「たしかだな」
と叫んだが、それと同時に破顔しながら立った。つい一瞬まえまでの執拗な、昂ぶった表情は拭き去ったように消え、まるで人が変りでもしたようなおちつきと威厳をとり戻していた。……縁の柱に倚って、この有様を屏息しながら見ていたさえは、そのとき崩れるように其処へ膝をついてしまった。
その夜の出来事を、家へ帰ってから、伊兵衛はいろいろな角度から考えてみた。宗之助は少年時代から負けず嫌いだった、頭脳的にも肉体的にも常に孤りぬきんでなくては承知しなかった。そして事実それだけの才分に恵まれていたが、伊兵衛だけにはそういう意識をもたず、いつも互いに鞭韃し合うという風で、――おれたちが家督したら鳥羽藩に活きた政治をおこなおうぞ、などと云いあいしたものであった。
――だが今度の彼は違う。伊兵衛は、あらゆる方面から考えてそう思った、酒のしい方も尋常ではなかったし、相撲のときの勝負に対するくどさも昔の彼には無かったものだ。――彼はこの伊兵衛を凌ごうとしている、とつぜん相撲を挑んだ動機はさえにあったかも知れない、さえと自分とが二人きりでいるのを見て、若い血がなにかせずにいられなくなったのかも知れない、しかしあんなに勝ち負けに対する拘わり方は他に理由がある、そしてその真の理由はわからないが、おれを凌ごうとしている点だけは