Japanische Klassiker mit Furigana
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かげおとこ
影男
江戸川 乱歩
Lesen Sie 影男 (かげおとこ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.133 Zeichen · 310 Bildschirme
そして、ついには、太い幹にしばりつけられたかっこうになってしまった。
巨大なクモと見えたのは、全身まっくろな衣装をつけ、頭部も黒覆面で包んだ影男であった。かれは川波の屋敷に忍びこんで、二つの首の怪事を見ると、すべての事情を察して、やみの木陰にかくれていた。そこへ気ちがい良斎が大鎌と草刈りばさみを持って現われたのだ。影男はその大鎌と草刈りばさみの柄に、そっと黒い絹糸を結びつけておいて、その糸玉を持って、そばの大木の上によじのぼり、その上から、絹糸で二つの武器をつり上げたのだ。
強くて太い絹糸にはさまざまの用途がある。影男は隠形術七つ道具の一つとして、長い糸玉をいつも身につけていた。それが、この暗中奇術の役にたったのである。
かれは二つの首切り道具を樹上に隠してしまうと、スルスルと幹を伝い降りて、こんどは絹糸の玉を持って、しりもちをついている良斎のまわりをグルグル回りはじめた。そして、良斎のからだに絹糸を巻きつけ、それを木の幹のほうへグイグイと引きしめて、とうとう幹にしばりつけてしまった。
「ワハハハ、どうです、このクモの糸は。絹糸でも何十回と巻きつければじょうぶなものですよ。