Japanische Klassiker mit Furigana
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やくにんがくさんそく
役人学三則
末弘 厳太郎
Lesen Sie 役人学三則 (やくにんがくさんそく) von 末弘 厳太郎 (すえひろいずたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.454 Zeichen · 172 Bildschirme
ことに、一国内の保守的分子が優勢なために、法令が移りゆく社会人心の傾向に十分に追随することができず、その結果「社会」と「法令」との間に溝渠ができた場合に「法令」をしてともかくも「社会」と調和せしめるものはただ一つ「嘘」あるのみです。世の中ではよく裁判官が化石したとか、没常識だとか申します。しかし、いかに化石し、いかに没常識であっても、ともかく「人間」です。美しきを見て美しと思い、甘きを食って甘しと思う人間です。ですから、まのあたり被告人を見たり、そのいうところを聴いたり、いろいろと裏面の事情などを知ったりすれば、「法」はどうあろうとも、ともかく「人間」として、ああ処分せねばならぬ、この裁判せねばならぬと考えるのは、裁判官の所為としてまさに当然のことだといわねばなりません。その際、もしも「法」が伸縮自在のものであればともかく、もしも、それが厳重な硬直なものであるとすると、裁判官は必ず「嘘」に助けを求めます。あった事をなかったといい、なかった事をあったといって、法の適用を避けます。そうして「人間」の要求を満足させます。それは是非善悪の問題ではありません。