Japanische Klassiker mit Furigana
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かれはだれをころしたか
彼は誰を殺したか
浜尾 四郎
Lesen Sie 彼は誰を殺したか (かれはだれをころしたか) von 浜尾 四郎 (はまおしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.147 Zeichen · 27 Bildschirme
その小説家は此の二つの事実に対して兄が『弟は殺された』と確信したと、推測することが最も自然だというのです。もし仮りに兄が、そう信じたら彼は一体どうするでしょう。今云った通り、法律的には之をどうすることも出来ない。訴えたとて何にもならぬ。結局残る所は直接の復讐手段でしょう、そして彼の兄なる人が馬鹿でない限り、自分も法律的には何等の危険のない方法をとるでしょう。伯爵、実際この場合、彼は最も賢明な方法をとったのです。はじめの事件が殺人事件だとされていない限り、之に対する復讐も亦、動機が一般には判らないわけです。即ち二度目の殺人は動機が全然外部に表われていない点に於いて、第一の殺人事件と同じわけです。
扠、ここで仮りにこの兄なる人の位置を定めて見ましょう。仮りに之が子爵某という人だとします。即ち社会的に相当地位ある人間だとしましょう。少くとも殺人事件の如きには最も嫌疑のかかりそうもない地位に居るのです。即ち云いかえれば、最も巧みに人殺しの出来る地位に居るとしましょう。此の子爵は、弟が殺されたと信じて以来、どうにかして相手をやっつけようと考えて居る。絶えず遠くからその行動を注意していると、相手は神経衰弱にかかって役目をひいてしまうと判る。