Japanische Klassiker mit Furigana
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かれ だいに
彼 第二
Lesen Sie 彼 第二 (かれ だいに) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.491 Zeichen · 12 Bildschirme
「ロオランなどに何がわかる? 僕等は戦争の amidst にいるんだ。」
独逸に対する彼の敵意は勿論僕には痛切ではなかった。従って僕は彼の言葉に多少の反感の起るのを感じた。同時にまた酔の醒めて来るのも感じた。
「僕はもう帰る。」
「そうか? じゃ僕は……」
「どこかこの近所へ沈んで行けよ。」
僕等はちょうど京橋の擬宝珠の前に佇んでいた。人気のない夜更けの大根河岸には雪のつもった枯れ柳が一株、黒ぐろと澱んだ掘割りの水へ枝を垂らしているばかりだった。
「日本だね、とにかくこう云う景色は。」
彼は僕と別れる前にしみじみこんなことを言ったものだった。
三
彼は生憎希望通りに従軍することは出来なかった。が、一度ロンドンへ帰った後、二三年ぶりに日本に住むことになった。しかし僕等は、――少くとも僕はいつかもうロマン主義を失っていた。もっともこの二三年は彼にも変化のない訣ではなかった。彼はある素人下宿の二階に大島の羽織や着物を着、手あぶりに手をかざしたまま、こう云う愚痴などを洩らしていた。
「日本もだんだん亜米利加化するね。僕は時々日本よりも仏蘭西に住もうかと思うことがある。