Japanische Klassiker mit Furigana
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りつことさだこ
律子と貞子
Lesen Sie 律子と貞子 (りつことさだこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.325 Zeichen · 11 Bildschirme
、叮嚀にお辞儀をした。それから、少し笑って、
「節子さんは?」と言った。節子というのは、三浦君の妹の名前である。
律子にそう言われて、三浦君は、どぎまぎした。なるほど、妹も一緒に連れて来たほうが自然の形なのかも知れぬ。なんだか、みんな見抜かれてしまったような気がして、頬がほてった。
「急に思いついて、やって来たのですよ。こんど田舎の中学校につとめる事になったので、その挨拶かたがた。」しどろもどろの、まずい弁解であった。
「行こ行こ。」妹の貞子は、二人を促し、さっさと歩いて、そうして、ただもう、にこにこしている。「久し振りね、実に、久し振りね、夏にも来てくださらなかったしさ、それから、春にも来てくださらなかったしさ、そうだ、ひどいひどい、去年の夏も来なかったんだ、なあんだ、貞子が卒業してから一回も吉田へ来なかったじゃないか、ばかにしてるわ、東京で文学をやってるんだってね、すごいねえ、貞子を忘れちゃったのね、堕落しているんじゃない? 兄ちゃん! こっちを向いて、顔を見せて! そうれ、ごらん、心にやましきものがあるから、こっちを向けない、堕落してるな、さては、堕落したな、丙種になるのは当り前さ、丙種だなんて、貞子が世間に恥ずかしいわ、志願しなさいよ、可哀想に可哀想に、男と生れて兵隊さんになれないなんて、私だったら泣い