Japanische Klassiker mit Furigana
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りつことさだこ
律子と貞子
Lesen Sie 律子と貞子 (りつことさだこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.325 Zeichen · 11 Bildschirme
」と姉は口をはさんだ。「私はお豆腐屋さんに寄って行くからね、あなた達さきに行ってよ。」
「豆腐屋?」貞子は少し口をとがらせて、「いいじゃないか。一緒に帰ろうよ。いいじゃないか。お豆腐なんて、無いにきまっているんだ。」
「いいえ。」律子は落ちついている。「けさ、たのんで置いたのよ。いま買って置かなければ、あしたのおみおつけの実に困ってしまう。」
「商売、商売。」貞子は、あきらめたように合点合点した。「じゃ、あたし達だけ、先に行くわよ。」
「どうぞ。」律子は、わかれた。旅館には、いま、四、五人のお客が滞在している。朝のおみおつけを、出来るだけ、おいしくして差し上げなければならぬ。
律子は、そんな子だった。しっかり者。顔も細長く蒼白かった。貞子は丸顔で、そうしてただ騒ぎ廻っている。その夜も貞子は、三浦君の傍に附き切りで、頗るうるさかった。
「兄ちゃん、少し痩せたわね。ちょっと凄味が出て来たわ。でも色が白すぎて、そこんとこが気にいらないけど、でも、それでは貞子もあんまり慾張りね、がまんするわよ、兄ちゃん、こんど泣いた? 泣いたでしょう? いいえ、ハワイの事、決死的大空襲よ、なにせ生きて帰らぬ覚悟で母艦から飛び出したんだって、泣いたわよ、三度も泣いた、姉さんはね、あたしの泣きかたが大袈裟で、気障ったらしいと言ったわ、姉さん