Japanische Klassiker mit Furigana
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おはぎとななくさがゆ
御萩と七種粥
河上 肇
Lesen Sie 御萩と七種粥 (おはぎとななくさがゆ) von 河上 肇 (かわかみはじめ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.614 Zeichen · 23 Bildschirme
私のこうした傾向は人並より強いらしく思われる。京都にいる娘から羊羹など送って呉れると、同じ店の同じ種類の製品ても、友人に貰った物より娘の呉れた物の方を、私は遥にうまく食べる。格段に味が違うので、私は客観的に品質が違うのだと主張することがあるが、妻などは笑って相手にしないから、これは私の味覚が感情によって左右されるのかも知れない。(この一文を書いて四ヶ月ばかり経ってから、私はふと高青邱の「呉中の新旧、遠く新酒を寄す」と題する詩に、「双壷遠く寄せて碧香新たに、酒内情多くして人を酔はしめ易し。上国豈に千日の醸なからむや、独り憐む此は是れ故郷の春。」というのがあるのに邂逅して、古人已に早く我が情を賦せりの感を深くした。)
とにかく私はそういう人間だから、もう半世紀近くも昔になる私の少年時代に食べたおはぎの味を、未だに忘れることが出来ずに居り、その記憶は、叔母の姿をいつまでも懐しいものに思わせてくれ、今も私を駆って、この思い出を書かしめて居るのである。
感謝する姿はしおらしくて上品だが、不平がましい面を曝すのは醜くて卑しい。しかし此の思い出も亦自画像のためのスケッチの一つだと考えている私は、序に醜い側をも書き添えて置かねばなるまい。