Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おへんじ(いしはらじゅんくんへ)

御返事(石原純君へ)

寺田 寅彦

Lesen Sie 御返事(石原純君へ) (おへんじ(いしはらじゅんくんへ)) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 867 Zeichen · 2 Bildschirme

Aozora Bunko

御手紙を難有う。『立像』の新短歌について何か思ったことを書けとの御沙汰でしたから手近にあった第三号をあけてはじめから歌だけ拾って読んで行きました。読んでいるうちにふと昨夜見た夢を想い出したのです。

見知らぬ広い屋敷の庭に大きな池がある。大きな船が浮んでいる。それが船のようでもあり座敷のようでもある。天井がない。今に雨が降り出すと困るがと思っていると、自分がいつの間にかその船に乗って天幕を張ろうとしている。それが自分のようでもあり、友人のようでもある。非常に淋しい気がした。池が消えて夜の街の広場が現われる。空に一本水平に綱が張ってあるその上を玩具の馬のようなものが渡って行く。かちゃんと落っこってバラバラに毀れた。それをまた組立てて綱渡りをさせるのが自分の責任だがどうしたらよいかと思い惑っていると、周囲のラウベンコロニーの青い小屋からドイツ人の男女がぞろぞろ出て来た。

なんだかこんな風な夢であったのですが、今この新短歌を読んでいると、不思議にこの夢を想い出し、そうしてこれらの詩の中に私の夢のどうしても想い出されないかけらが隠れているのではないかという気がするのです。