Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おたか

御鷹

吉川 英治

Lesen Sie 御鷹 (おたか) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.767 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

中風で、人と話すにも、変な皺が、顔を斜めに、絶えず横切るのである。

『や。……それ迄には』

と、ひどく何か感情に今もその顔をぴくぴくと痙攣させていた。

客は、組下の黄瀬川新五左と、その親類という弓町の老人。

平謝まりである。何とも重々申しわけがないとのみ繰返している。

近く、聟君さえ決まっている噂のある御当家の息女に、あるまじき伜の不埓、きっと糾明のうえで、両三年は他国へ修業にやることに親類共が取り計らいましたれば――と、これは弁馬の父として責任のある新五左が、禄も大事、身も大事、伜も大事と、両刀を投げ出さないばかりにいう詫言だった。

『恐縮、恐縮。……いや何、御両所、そうまでせんでも、よかったのじゃよ。……だがな、わしが中風で体がきかぬと思うてか、御子息の弁馬、だんだん狎れ居って、近頃では、塀の外から、娘の部屋へ礫を打つ、口笛などをふきおる。――のみか、娘を強迫しての、すんでに決まっておる、角三郎との縁組を破約など云うらしい』

『もう、もう、……その儀は、仰せ下さりますな。伺えば伺うほど、腹でも切らねばと、親の身は』

『道理じゃ。……もう云いますまい。